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日記・一般  |札幌市北区

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2012年05月19日

馬酔木6月号

馬酔木集選後反芻  徳田千鶴子

うすらひや舌にとけだすドロップス  渋谷水月

ドロップ(DROP)は「したたる」「落ちる」「しずく」の意。
西洋から飴が入ってきた時、日本の飴と区別する為に、そのままドロップと
呼んだのだろうか。

この句はドロップだから佳いのだ。飴ではつまらない。
口中のドロップが、舌の上で薄く平らになっていた経験、誰もがあるだろう。
「うすらひ」をもってきたのが言い得て妙。

もう一句「愛されてなほ孤独なり卒業期」も、言葉が直接的ではあるが、
思春期の微妙な精神状態をうかがわせる。季語の「卒業期」が雄弁だ。

水月注:誌上の「卒業式」は「卒業期」の誤植です。
馬酔木集72ページが正しいです。

真夜急ぐ吹雪の道を父の許
愛されてなほ孤独なり卒業期
うすらひや舌にとけだすドロップス     札幌 渋谷水月


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Posted by 水月 at 04:34│Comments(0)俳句
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